No Replacement(1)
- 2023/02/22
- 00:00
昔の出来事を妙に覚えていることがある。
初めて仕事をした会社で英語の合宿研修があった。
月曜日の朝から金曜日の夕方まで、会社の寮に泊まり込みで、その期間中は英語しか使ってはいけないというコースだ。
講師はすべてNative Speakerだ。
参加者は同じ会社の人であるが、全国各地のいろいろな事業部から来ているので、総勢24名のメンバーだが、知っている人は、同じ事業部所属の人、ひとりだけだった。
年齢も年上の人もいれば、僕よりもかなり若い人もいる。
英語のレベルもそれほど高いものではなく、英語にはなぜか学生時代から親しんでいるところがあったので、僕のレベルはそのなかでは上の方だった。
はじめに全員が英語の名前をつけてもらう。
日本人としての自分の名前は使わないのである。
僕の名前は、Roger Barry Lawrenceだった。
この名前にどういういわれがあるとか、なぜこのような名前が付けられたのかは、全く分からない。
英国人の先生が、まあ勝手につけた名前である。
40年以上経った今でも覚えているくらいだから、僕は結構気に入っていたのかもしれない。
初めに自己紹介の時間がある。
自己紹介くらいは、好きなことを言えばいいのだから、難しくはない。
My name is から始める。
会社の仕事とか、好きな時間の話をする。
好きな時間は、阪神タイガースに関することだ。
これは今も昔も変わらない。
そして、その後、 fortunately, or unfortunately, と少し首を傾げなら言う。
I am married.
幸運というか、あるいは不幸かもしれませんが、僕は結婚しています、と和訳すれば、こうだ。
それを聞いて、英国人の先生、Timさんは笑いながら言う。
Ok, Roger, You have a lot of time in this course. だったかな。
ロジャー、大丈夫だ、君の愚痴を聞く時間はたくさんあるからね。
ってところだろう。
Timさんは、リラックスしろという。
緊張していては英語をうまく話せない。
リラックスして話すのが、英語を上達するためには必要だ、と。
Timさんは、普段は英語教室の先生をやっているのだけど、そのなかで経験した例を挙げて説明する。
女子中学生がいる。
彼女はいわゆる帰国子女であるが、いつもはスラスラと英語を話すのだけど、緊張すると、全く話せなくなるという。
帰国子女の英語力と、普通の企業の人間の英語力を比較するのは、適切かどうかは分からないが、まあいい。
Tim先生を信用することにしよう。
ただ、コースが進むにつれ、こうも言っていた。
You‘re too relaxed!
君はリラックスしすぎたね。
面白い1週間が始まる。

(出展:Photo-AC)
初めて仕事をした会社で英語の合宿研修があった。
月曜日の朝から金曜日の夕方まで、会社の寮に泊まり込みで、その期間中は英語しか使ってはいけないというコースだ。
講師はすべてNative Speakerだ。
参加者は同じ会社の人であるが、全国各地のいろいろな事業部から来ているので、総勢24名のメンバーだが、知っている人は、同じ事業部所属の人、ひとりだけだった。
年齢も年上の人もいれば、僕よりもかなり若い人もいる。
英語のレベルもそれほど高いものではなく、英語にはなぜか学生時代から親しんでいるところがあったので、僕のレベルはそのなかでは上の方だった。
はじめに全員が英語の名前をつけてもらう。
日本人としての自分の名前は使わないのである。
僕の名前は、Roger Barry Lawrenceだった。
この名前にどういういわれがあるとか、なぜこのような名前が付けられたのかは、全く分からない。
英国人の先生が、まあ勝手につけた名前である。
40年以上経った今でも覚えているくらいだから、僕は結構気に入っていたのかもしれない。
初めに自己紹介の時間がある。
自己紹介くらいは、好きなことを言えばいいのだから、難しくはない。
My name is から始める。
会社の仕事とか、好きな時間の話をする。
好きな時間は、阪神タイガースに関することだ。
これは今も昔も変わらない。
そして、その後、 fortunately, or unfortunately, と少し首を傾げなら言う。
I am married.
幸運というか、あるいは不幸かもしれませんが、僕は結婚しています、と和訳すれば、こうだ。
それを聞いて、英国人の先生、Timさんは笑いながら言う。
Ok, Roger, You have a lot of time in this course. だったかな。
ロジャー、大丈夫だ、君の愚痴を聞く時間はたくさんあるからね。
ってところだろう。
Timさんは、リラックスしろという。
緊張していては英語をうまく話せない。
リラックスして話すのが、英語を上達するためには必要だ、と。
Timさんは、普段は英語教室の先生をやっているのだけど、そのなかで経験した例を挙げて説明する。
女子中学生がいる。
彼女はいわゆる帰国子女であるが、いつもはスラスラと英語を話すのだけど、緊張すると、全く話せなくなるという。
帰国子女の英語力と、普通の企業の人間の英語力を比較するのは、適切かどうかは分からないが、まあいい。
Tim先生を信用することにしよう。
ただ、コースが進むにつれ、こうも言っていた。
You‘re too relaxed!
君はリラックスしすぎたね。
面白い1週間が始まる。

(出展:Photo-AC)