Sさんのこと
- 2015/03/28
- 00:00
Sさんは、IT会社の社長である。
なかなか個性的な方だ。
会社は大きくはない。
社員数は10名以下だ。
Sさんは社長としてオフィスの社長の席にじっと座っている人ではない。
小企業の社長としては当然のことであるが、いつも現場に出ておられる。
現場に出るときは、いつも車である。
たとえ東京であろうが、北陸であろうが、山陰であっても、車でいく。
電車には乗らない。
鳥取で待ち合わせたことがある。
行き先は大学であるので、校門を入ったところで待ち合わせをする。
Sさんは仕事用では2人乗りの小回りのきく車に乗っている。
校門を入ると、Sさんの車が目に入る。
小さくて黄色の目立つ色だ。
車にうとい僕には、どういう車種かも、よく分からない。
室内は確かに狭いが、仕事で走り回るのには十分の広さだ。
仕事が終わると駅まで乗せてもらう。
僕は電車で帰る。
Sさんは、そのまま車を大阪まで走らせる。
Sさんは、仕事に厳しい人だ。
筋を通した話をされる。
あまりに筋を通され、折れることがないので、他のひととは、時として、ぶつかることがある。
ただ、僕とはなぜか馬があう。
いままでぶつかったことがない。
一緒に飲みに行くことがある。
二人だけのことが多い。
Sさんは、いつも車なので、飲みに行っても、ボトルは入れているが、自分では水を飲んでいる。
歌は好きだ。
本気ではじめると、エンドレスになる。
徹夜は全くこたえない。
IT系の仕事をしていると、システムのトラブルに対応しないといけないことが多い。
原因は簡単には分からない。
試行錯誤を繰り返して、復旧するのであるが、いつまでに解決するか目処がたたないことがある。
どこまで執着心を持ってやり続けるかが大事になる。
Sさんは一晩でも二晩でも徹夜でやり続ける。
最長で5日間徹夜を続けたことがある。
こうなると、人間業とは思えない。
宇宙人でしょう、と半分冗談、半分本気で言ったことがある。
Sさんはそういうときも、ただ聞き流している。
いままで死にそうになったことが何回かある。
一番初めは、小学校に入る前のころ、工事中でふたがあいているマンホールに落ちて、配水管の中を流された。
その配水管は、川に流れていて、途中で止まることなく、川の中に放り出された。
その状態で助かった。
奇跡である。
このような奇跡は、これだけではない。
60歳になったら、死ぬと50代の時に言っていた。
僕は、それはないです、憎まれっ子世にはばかると言うでしょうと、軽口で返した。
今、60歳を越えているが、もちろん現役だ。
僕もSさんからパワーをもらっているのかもしれない。
パワースポットというのは、よく聞くが、人間でもパワースポットになるような、パワーをもらえる人がいるのかもしれない。
Sさんは、まさしく、パワーサプライマンである。
どうもぴったりした言い方が見つからない。
久しぶりに、飲みにでも行こうか。

なかなか個性的な方だ。
会社は大きくはない。
社員数は10名以下だ。
Sさんは社長としてオフィスの社長の席にじっと座っている人ではない。
小企業の社長としては当然のことであるが、いつも現場に出ておられる。
現場に出るときは、いつも車である。
たとえ東京であろうが、北陸であろうが、山陰であっても、車でいく。
電車には乗らない。
鳥取で待ち合わせたことがある。
行き先は大学であるので、校門を入ったところで待ち合わせをする。
Sさんは仕事用では2人乗りの小回りのきく車に乗っている。
校門を入ると、Sさんの車が目に入る。
小さくて黄色の目立つ色だ。
車にうとい僕には、どういう車種かも、よく分からない。
室内は確かに狭いが、仕事で走り回るのには十分の広さだ。
仕事が終わると駅まで乗せてもらう。
僕は電車で帰る。
Sさんは、そのまま車を大阪まで走らせる。
Sさんは、仕事に厳しい人だ。
筋を通した話をされる。
あまりに筋を通され、折れることがないので、他のひととは、時として、ぶつかることがある。
ただ、僕とはなぜか馬があう。
いままでぶつかったことがない。
一緒に飲みに行くことがある。
二人だけのことが多い。
Sさんは、いつも車なので、飲みに行っても、ボトルは入れているが、自分では水を飲んでいる。
歌は好きだ。
本気ではじめると、エンドレスになる。
徹夜は全くこたえない。
IT系の仕事をしていると、システムのトラブルに対応しないといけないことが多い。
原因は簡単には分からない。
試行錯誤を繰り返して、復旧するのであるが、いつまでに解決するか目処がたたないことがある。
どこまで執着心を持ってやり続けるかが大事になる。
Sさんは一晩でも二晩でも徹夜でやり続ける。
最長で5日間徹夜を続けたことがある。
こうなると、人間業とは思えない。
宇宙人でしょう、と半分冗談、半分本気で言ったことがある。
Sさんはそういうときも、ただ聞き流している。
いままで死にそうになったことが何回かある。
一番初めは、小学校に入る前のころ、工事中でふたがあいているマンホールに落ちて、配水管の中を流された。
その配水管は、川に流れていて、途中で止まることなく、川の中に放り出された。
その状態で助かった。
奇跡である。
このような奇跡は、これだけではない。
60歳になったら、死ぬと50代の時に言っていた。
僕は、それはないです、憎まれっ子世にはばかると言うでしょうと、軽口で返した。
今、60歳を越えているが、もちろん現役だ。
僕もSさんからパワーをもらっているのかもしれない。
パワースポットというのは、よく聞くが、人間でもパワースポットになるような、パワーをもらえる人がいるのかもしれない。
Sさんは、まさしく、パワーサプライマンである。
どうもぴったりした言い方が見つからない。
久しぶりに、飲みにでも行こうか。
